可逆圧縮うそつきごっこ

常守朱、スカートの長さアレで出世したのすごくない？


見た。
すごかった。
すごいところに来てしまった。
先行上映お姉さまはこれ見て感想抱えたまま封切りまでネタバレをしないで生きてきたの？すごくない？お姉さますごいよ……
以下予告で流れていたアイナナが良すぎて頭がいっぱいになった転校生のネタバレしかない感想です。


おさらい用のあらすじ

2118年1月。公安局統括監視官として会議に出席していた常守朱のもとへ、外国船舶で事件が起きたと一報が入った。同じ会議に出席していた厚生省統計本部長・慎導篤志とともに現場に急行する朱だったが、なぜか捜査権は外務省海外調整局行動課に委ねられていた。船からは、篤志が会議のゲストとして呼んだミリシア・ストロンスカヤ博士が遺体となって発見される。事件の背後には、行動課がずっと追っていた〈ピースブレイカー〉の存在があった。博士が確立した研究…通称〈ストロンスカヤ文書〉を狙い、〈ピースブレイカー〉の起こした事件だと知った刑事課一係は、行動課との共同捜査としてチームを編成する。そこには、かつて公安局から逃亡した、狡噛慎也の姿があった――。博士が最後に通信した雑賀譲二の協力を得て、文書を手に入れるべく出島へ向かった一係だったが…。
〈ストロンスカヤ文書〉を巡り、予想を超えた大きな事件に立ち向かっていくこととなる朱と狡噛。その先には、日本政府、そしてシビュラシステムをも揺るがす、ある真実が隠されていた。ミッシングリンクをつなぐ〈語られなかった物語〉が、ついに明らかになる――。

超訳：
シビュラを過信するあまり法を棄てることを選びかけた政府に対し、朱様が自ら『当事者』となることにより、人間の可能性を狭めることなくシビュラとの共存を続けることになるとんでもねえ規模の話。


すごくどうでもいい小さいことが気になってしまう箇条書き感想です。


・バットマンの映画予告の後に本編でモモンガスーツ武装で降り立つ狡噛慎也。
どんな状況でもジーンズで戦うぜ。


・ディバイダーとかいうシステム。
憑依システム。脳に埋め込んだチップをハックして多分筋肉に対する電気信号を操ってる系。ついにやりやがったな。

冒頭の船のシーンで狡噛をめちゃくちゃホールドしてる熱烈な敵いたけど怖すぎて震えた。顔が完全に死んでるのに死後硬直みたいに締め上げてるんだもん、撃ったって意味ない。
つまりこれの意味するところは「ある程度の死体までならWi-Fi経由で動かすことができる」からゾンビ兵の生産につながる。
砺波が絶望して「死ぬまで戦う」的なこと言っていたのはここに由来する……脳に弾丸が貫通しても憑依は有効だったから、マシンガンで胴体や手足がハンバーグみたいになっても戦闘が終わらないということになる。地獄だ。医療システム相手に神を見出すのもわかるわ。

今回外務省側のディバイダー？って脳に埋め込んだ翻訳チップをハッキングされたわけじゃないですか。でも言語野じゃなくて肉体全部乗っ取れんのすごくない？どうなってんの？外務省が使うのは肉体言語なの？


・慎導本部長の服が実質朱桜司だった。
これだからあんさんぶるのオタクは…………
それよりあのタイプのおじさん大好きなんだよね……
ところでよくわかっていないのですが、あの世界って自動運転じゃなくて人間がハンドル握ってるんだよね。あんなに高速道路的な場所整備してるのにハンドルは握ってるのか……なんか言及あったかな……


・雑賀教授が当たり前のように聖書を引用してくる。
落ちるところつらかった…………少佐だったら光学迷彩起動して無事なのにって感じの落ち方してた……
あと今回三好達治も引用してたなあ。
遺品の手帳の砺波プロファイリングに「神！」って書いてあったの笑ってしまった。


・宜野座さんエロすぎるからスーツ着せて外に放つのやめろ。
ちゃんと取り締まれ。
おたくはさ……PSYCHO-PASS見た後、スーツ着て出勤したくなるのよ……腕外す判断的確かつ良すぎてやばかった。


・銃に撃たれたら人間は基本的に死ぬ。
「かすり傷」じゃねーーーーーーよなんでおまえら銃弾の雨の中で走り回ってんだよ。


・出島でghost in the shellくらい銃撃されてた。
笑っちゃったよ。コンクリートの柱先輩強すぎンゴねえ。
あと狡噛さんと甲斐が殴ったりナイフで戦うシーンがメタルギアすぎて脳がバグった。
出島、あまりにも職員とか死にすぎて外務省の責任がとんでもないことになっている。


・甲斐ミハイロフの顔が良すぎて何も入ってこない。
まずこいつが兄であることしかわからない、�Wなのか甲斐なのか迷って公式キャラページで甲斐呼びだからとりあえず甲斐。
金髪国宝にしとけ。


・狡噛慎也どこでもタバコ吸ってる。
病院、取調室、雨の中でも躊躇しない。よく雨の中で火付けられんな。


・甲斐に対しドミネーターを構える朱様がとてつもなく美しい。
やっぱこれよなあ〜〜〜
あとMV版の当事者のサムネの朱様の表情のシーンをきちんと映画で見ることにより尊さが増した。


・北にある謎の廃墟。
中央にあった白い謎の骨格みたいなやつゾワ〜ってなったんだけどあれ施設全部がぬるぬるしたらエイリアンのエンジニアだよ、人工知能ディストピアじゃん……


・犯罪係数とか紛争係数とか。
テレビシリーズのなかで「ストレスレベルが上昇して全体の犯罪係数が上がる」とかやってたけど、シビュラシステムが採用されている以上完全になにかしらの数字で人間の感情を外部からいじれちゃうんだなと改めて感じた。
それにしてもストロンスカヤ博士の頭の中にしか核となるデータがなかったりして、シビュラといいブラックボックス化が進みすぎではないだろうか。大丈夫か？



一応3の流れや人間関係は把握していたから誰が死んで誰が生き残るのかはわかってたつもりだったけどそれでも半端ねえよ。すごかった。伏線回収が丁寧な作品は神と呼ばれる。

1期から見てるから公安を無条件に応援する視聴者なんですけど、朱様の理想とする正義、ひいては人類の未来って朱桜の掲げる「正義」のいい感じのロールモデルになるからたまんねぇ好きいいいってなりました。結局終着ここです。
でも見たいじゃん……Knightsを辞めてES執行役員になるから任命式典が全国で放送される中で天祥院を撃ち殺す朱桜司様…………この天祥院はクローンシステム採用時空だから死んでないんだけどメディアには死亡が報道されてるからもう二度と表舞台に出てこれなくなって二人で隠居することになるえーつか…………

結局朱様はポスト慎導とはならず更生施設生活になるわけだけど、雑賀が死んだときは（本部長のシナリオだったとしても）自分が外に連れ出さなければと悔しくて泣いてるし、狡噛が撃ったときは罪を犯させてしまったと感情を爆発させたし、凄まじく正義を貫いているじゃないですか、怖い。自分が撃つことで看過できないほどの衝撃を世間に与えるとかいうひっくり返し方もどっかの暗夜行路御曹司みたいで怖い。
よく考えなくても2期からずっとシビュラとサシで会話してる女なんて色相見なくてもやべえよな。
外務省サイドでも「汚れ役でも正義のためなら貫けよ」的なこと言ってた気がしたけど本当にこの5億分の1でいいからESで描いてくれねえかなと思った。
PSYCHO-PASSの登場人物って「自分の生活とか人生を犠牲にしても組織やこの世界には守る価値がある」という前提がありすぎだからすごいよなあと思う。そうじゃなきゃ進まないんですけど。みかちゃんが最終局面で説得しに行く人間味がちょっとクスッてしてなかなか響きましたね。
前回1期めちゃくちゃおもしろいって書いてたんですけどプロビデンスくんが個人的にその上を行きました。朱様が「公安じゃなくてちょっと上から俯瞰して見ることも大切だ」って言われてたけどそういう類の面白さでした。


エンドロール、当事者が細胞に染みて震えた。
「銃口を向けた　あなたに見えるように　そして銃声が響く」
って歌詞は本当震える…………冒頭の船のシーンから、ずいぶん遠くへ来てしまったのだと……

シビュラシステムが人類の味方で良かったなと思います。
もう一回あのエンドロール浴びたい……面白かった！