因習の極み乙女
クソ当主が統べる村の因習と書いて「ゲス」と読みます。
布教されたのでまんまと観てきたのですが、予想の500倍面白かったです。
先週丁度狂骨の夢を再履修していたので余りにもタイムリーすぎました。運命でしょうか。
Q・京極堂、狂骨ってなあに？
A・ぷかぷか上下してるやつ
Q・狂骨の夢ってなあに？
A・頭蓋骨サッカー
以下完全ネタバレになるのですが、八つ墓村と犬神家と百鬼夜行シリーズと朱桜本家の赤い桜伝説が好きなら、見てほしい。
っていうかさ予告で劇場版SEED出てきたから爆笑しちゃったんですよアスランま〜〜〜〜た裏切るし（いつもの）鬼太郎にも出てきやがるしなんかもう石田彰っていいよね、と思いました。なお鬼太郎本編において石田彰は敵役であり右後ろのスピーカーから声が出ます。
あと水木ってイントネーション水樹奈々と同じと思ってたんですけど「青木」寄りの水木なんだなって思いました。
開幕早々終戦のゴタついた駅の治安悪い感じであ〜〜〜もうこの映画大当たりじゃん〜〜〜と思いました。ぷかぷか煙草ふかしてるあの時代ね、たまんないよね。
時は昭和31年、日本の政界の重鎮たる龍賀時貞の死から物語は始まります。
主人公の水木は出世のため、お得意先である「龍賀一族」社長、龍賀克典に随行せんと、葬式最中の本家の村へと参ります。
さてこの龍賀一族、何やら「M」と呼ばれる薬の原液を生成する秘伝の技があるらしく、そいつで莫大な富を築き政界を牛耳っているらしい。片や不老不死の秘薬とまで称された謎の薬、そいつを使えば大儲け。龍賀一族当主となればもはや一国の主に相違ない。水木の取引相手である龍賀克典は婿養子であるのだが、その働きや本家の抱える問題により、時期当主であると目されていた。
東京から夜行とタクシーを乗り継ぎ、やってきたのは一族のお膝元たる哭倉村。トンネルを抜け、盆地のように山に囲まれた土地の中央には湖があり、禁足地と呼ばれる小島が浮いている。豊かな田園風景を抜け、水木は山の麓の龍賀家へと向かいます。
道中、喪服姿の可憐なお嬢さんと遭遇します。ハーフアップの美しい黒髪を持つ彼女は龍賀沙代、克典の娘です。下駄の鼻緒が切れ立ち往生している彼女と出会った水木は鼻緒を直すというイベントを発生させます。
ここがすっげえエロい。トンネル抜けた後のBGMも最高だったんだけど、吹き抜ける風の中に村人たちの監視の目が流れていくようでたまらなかった。
ここで長田家の末席にして時貞の孫にあたる時弥とも邂逅するのですが、無邪気な彼の言葉の中にこの村の閉鎖的で排他的な空気を感じ取るのでした。
ようやっと本家に辿り着いた水木。立派な門をくぐり抜けた先で不審者かと思われたりしましたが、無事克典と遭遇し、客人として招かれます。
さて、時貞亡き今、本家では遺言状の開封をしていたのでありました。広い座敷、畳の両側には喪服姿の親戚一同が並び、水木に冷たい視線を投げかけます。
次の当主は誰になるのか、莫大な資産はどのように分配されるのか……自信に満ちた克典と水木でしたが、読み上げられた遺言は思いもよらぬものでした。
──次期当主を病弱である長男時麿、そして孫の時弥が二十歳になったら継ぐこと。社長の座は今まで通り克典に一任するが、妻であり本家長女の乙米に決定権を与える。
身を粉にして会社を大きくしてきたのに婿養子であるため蔑ろにされる克典、そして遺産の分配の話で何も与えられなかった娘、分家たち……その遺言状は無効であると叫ぶ克典がきっかけとなり、大広間はすったもんだの大騒ぎになります。
東京くんだりから足を運んだ水木でしたが、克典が当主とならないのならば来た意味がありません。途方に暮れ、こうして一日が終わるのでした……
で、このあと鬼太郎の父である八頭身の目玉の親父CV関俊彦が出てきたり妖怪と戦ったりするんですけど、わたしが大好きなのは一族なので一族の話だけします。ゲゲ郎と水木の熱いバディとかについては今回しゃべりません。
・当主 時貞
故人だと思ったろ、最後に出てくるからな。
本当にこいつのせいですありがとうございます。こんなに救いようがなくて倒すべき悪みたいなの久しぶりに見ました。徹頭徹尾クソ野郎で安心します。
こいつが幽霊族を滅ぼしたりまれびとを誘拐してファイアパンチみたいなことしたり奥さんを誘拐しました。なんでか知らないけど狂骨とか石田彰と契約してる。
・長男 時麿
出てきてすぐ死ぬ人。
時貞は時麿を跡取りにすることを初めから決めていたらしく、嫁も取らされず教育を受けてきたっぽい。
眼球になんかぶっ刺されて脳貫通して死んだ。
・長女 乙米
実質当主。時貞のシンパ。この世は自分のものだと思っている節がある。犬神家なら松子ポジション。石田彰を顎で使える。
ストローで生クリームかき混ぜるみたいな死に方をした。
・次女 丙江
酒と男とお金にルーズだと口をひらいですぐわかるやべー女。
駆け落ちして一度村を出たっぽいが時貞により連れ戻されたとかなんとか。劇中で長女に金の無心をし、男遊びをしているシーンがばっちり描かれる。
百舌鳥のはやにえみたいな死に方をした。
・次男 孝三
禁足地に足を踏み入れたせいで気が触れているとかなんとか。心を失ったとか言われていたので、若いが白髪に車椅子生活で茫然自失という感じ。夢の中に出てくる女をスケッチしている。
割ととばっちりみたいな感じで死んだ。
・三女 庚子
村長だかなんだかのCV石田彰のところに嫁に行った。
時弥のお母さん。
・孫 時弥
病弱だけど物分かりのいい子。
時貞は祖父にして父……つまり…………
何も悪くないのに地獄に落とされた。
・孫 沙代
こんな村から出て行きたかった娘。一族キルリーダー。
近親相姦の被害者であるが子供は授からなかった。
ということでね、この村終わってるんで近親相姦のはなしが出ます。クソです。対象年齢って何。
龍賀の女は霊力があるから濃い血で血縁者増やそうとした時貞が全部悪い。滅んで良かった。時貞の長女であり沙代の母親でもある乙米が率先して父に娘を差し出してるような言い回しもあるからめちゃくちゃやばい。これ妖怪でなくて人間だけのミステリーとかサスペンスだったら令和の横溝正史決定だった。妖怪いるから面白い部分、特にバトルシーンがたくさんあるんだけど、きっとそれなしでも成立してるくらい人間が腐っててすごかった。そう、これが因習。狭いコミュニティと死んでも決して逆らえない上下関係。わたしが望む本家と分家の縮図。
だからラスト、時貞に向かって水木が斧振りかざしたシーンで心の中で応援上映だった。やれー！いけー！頭割れー！！
それはそれとして、鬼太郎父と水木はあと映画五本分くらいエピソードが欲しいし、最終的にライヘンバッハの滝に落ちて欲しい。禁足地から逃げるときのおんぶがすっげえよくて、おたく、興奮しちゃったんだよね……鼻血出してる水木かわいいしさ……歪むんだよね……癖がよお……
あとまじ朱桜本家の地下にもあの桜あるんだと思う。たすかった。
おすすめされなかったらみてなかったので本当にありがとうございました、おもしろかったです。
布教されたのでまんまと観てきたのですが、予想の500倍面白かったです。
先週丁度狂骨の夢を再履修していたので余りにもタイムリーすぎました。運命でしょうか。
Q・京極堂、狂骨ってなあに？
A・ぷかぷか上下してるやつ
Q・狂骨の夢ってなあに？
A・頭蓋骨サッカー
以下完全ネタバレになるのですが、八つ墓村と犬神家と百鬼夜行シリーズと朱桜本家の赤い桜伝説が好きなら、見てほしい。
っていうかさ予告で劇場版SEED出てきたから爆笑しちゃったんですよアスランま〜〜〜〜た裏切るし（いつもの）鬼太郎にも出てきやがるしなんかもう石田彰っていいよね、と思いました。なお鬼太郎本編において石田彰は敵役であり右後ろのスピーカーから声が出ます。
あと水木ってイントネーション水樹奈々と同じと思ってたんですけど「青木」寄りの水木なんだなって思いました。
開幕早々終戦のゴタついた駅の治安悪い感じであ〜〜〜もうこの映画大当たりじゃん〜〜〜と思いました。ぷかぷか煙草ふかしてるあの時代ね、たまんないよね。
時は昭和31年、日本の政界の重鎮たる龍賀時貞の死から物語は始まります。
主人公の水木は出世のため、お得意先である「龍賀一族」社長、龍賀克典に随行せんと、葬式最中の本家の村へと参ります。
さてこの龍賀一族、何やら「M」と呼ばれる薬の原液を生成する秘伝の技があるらしく、そいつで莫大な富を築き政界を牛耳っているらしい。片や不老不死の秘薬とまで称された謎の薬、そいつを使えば大儲け。龍賀一族当主となればもはや一国の主に相違ない。水木の取引相手である龍賀克典は婿養子であるのだが、その働きや本家の抱える問題により、時期当主であると目されていた。
東京から夜行とタクシーを乗り継ぎ、やってきたのは一族のお膝元たる哭倉村。トンネルを抜け、盆地のように山に囲まれた土地の中央には湖があり、禁足地と呼ばれる小島が浮いている。豊かな田園風景を抜け、水木は山の麓の龍賀家へと向かいます。
道中、喪服姿の可憐なお嬢さんと遭遇します。ハーフアップの美しい黒髪を持つ彼女は龍賀沙代、克典の娘です。下駄の鼻緒が切れ立ち往生している彼女と出会った水木は鼻緒を直すというイベントを発生させます。
ここがすっげえエロい。トンネル抜けた後のBGMも最高だったんだけど、吹き抜ける風の中に村人たちの監視の目が流れていくようでたまらなかった。
ここで長田家の末席にして時貞の孫にあたる時弥とも邂逅するのですが、無邪気な彼の言葉の中にこの村の閉鎖的で排他的な空気を感じ取るのでした。
ようやっと本家に辿り着いた水木。立派な門をくぐり抜けた先で不審者かと思われたりしましたが、無事克典と遭遇し、客人として招かれます。
さて、時貞亡き今、本家では遺言状の開封をしていたのでありました。広い座敷、畳の両側には喪服姿の親戚一同が並び、水木に冷たい視線を投げかけます。
次の当主は誰になるのか、莫大な資産はどのように分配されるのか……自信に満ちた克典と水木でしたが、読み上げられた遺言は思いもよらぬものでした。
──次期当主を病弱である長男時麿、そして孫の時弥が二十歳になったら継ぐこと。社長の座は今まで通り克典に一任するが、妻であり本家長女の乙米に決定権を与える。
身を粉にして会社を大きくしてきたのに婿養子であるため蔑ろにされる克典、そして遺産の分配の話で何も与えられなかった娘、分家たち……その遺言状は無効であると叫ぶ克典がきっかけとなり、大広間はすったもんだの大騒ぎになります。
東京くんだりから足を運んだ水木でしたが、克典が当主とならないのならば来た意味がありません。途方に暮れ、こうして一日が終わるのでした……
で、このあと鬼太郎の父である八頭身の目玉の親父CV関俊彦が出てきたり妖怪と戦ったりするんですけど、わたしが大好きなのは一族なので一族の話だけします。ゲゲ郎と水木の熱いバディとかについては今回しゃべりません。
・当主 時貞
故人だと思ったろ、最後に出てくるからな。
本当にこいつのせいですありがとうございます。こんなに救いようがなくて倒すべき悪みたいなの久しぶりに見ました。徹頭徹尾クソ野郎で安心します。
こいつが幽霊族を滅ぼしたりまれびとを誘拐してファイアパンチみたいなことしたり奥さんを誘拐しました。なんでか知らないけど狂骨とか石田彰と契約してる。
・長男 時麿
出てきてすぐ死ぬ人。
時貞は時麿を跡取りにすることを初めから決めていたらしく、嫁も取らされず教育を受けてきたっぽい。
眼球になんかぶっ刺されて脳貫通して死んだ。
・長女 乙米
実質当主。時貞のシンパ。この世は自分のものだと思っている節がある。犬神家なら松子ポジション。石田彰を顎で使える。
ストローで生クリームかき混ぜるみたいな死に方をした。
・次女 丙江
酒と男とお金にルーズだと口をひらいですぐわかるやべー女。
駆け落ちして一度村を出たっぽいが時貞により連れ戻されたとかなんとか。劇中で長女に金の無心をし、男遊びをしているシーンがばっちり描かれる。
百舌鳥のはやにえみたいな死に方をした。
・次男 孝三
禁足地に足を踏み入れたせいで気が触れているとかなんとか。心を失ったとか言われていたので、若いが白髪に車椅子生活で茫然自失という感じ。夢の中に出てくる女をスケッチしている。
割ととばっちりみたいな感じで死んだ。
・三女 庚子
村長だかなんだかのCV石田彰のところに嫁に行った。
時弥のお母さん。
・孫 時弥
病弱だけど物分かりのいい子。
時貞は祖父にして父……つまり…………
何も悪くないのに地獄に落とされた。
・孫 沙代
こんな村から出て行きたかった娘。一族キルリーダー。
近親相姦の被害者であるが子供は授からなかった。
ということでね、この村終わってるんで近親相姦のはなしが出ます。クソです。対象年齢って何。
龍賀の女は霊力があるから濃い血で血縁者増やそうとした時貞が全部悪い。滅んで良かった。時貞の長女であり沙代の母親でもある乙米が率先して父に娘を差し出してるような言い回しもあるからめちゃくちゃやばい。これ妖怪でなくて人間だけのミステリーとかサスペンスだったら令和の横溝正史決定だった。妖怪いるから面白い部分、特にバトルシーンがたくさんあるんだけど、きっとそれなしでも成立してるくらい人間が腐っててすごかった。そう、これが因習。狭いコミュニティと死んでも決して逆らえない上下関係。わたしが望む本家と分家の縮図。
だからラスト、時貞に向かって水木が斧振りかざしたシーンで心の中で応援上映だった。やれー！いけー！頭割れー！！
それはそれとして、鬼太郎父と水木はあと映画五本分くらいエピソードが欲しいし、最終的にライヘンバッハの滝に落ちて欲しい。禁足地から逃げるときのおんぶがすっげえよくて、おたく、興奮しちゃったんだよね……鼻血出してる水木かわいいしさ……歪むんだよね……癖がよお……
あとまじ朱桜本家の地下にもあの桜あるんだと思う。たすかった。
おすすめされなかったらみてなかったので本当にありがとうございました、おもしろかったです。