可逆圧縮うそつきごっこ

パン屋のパンが好き


雑記だよ。


一ヶ月前事件簿小説10巻を読みラストで脳を焼かれた。

おかげで昨日もこの瞬間も明日も明後日も来年もウルトラハッピーでいることを約束された。されたのであるが我々には座に還った英霊についてそれぞれの解釈と一家言があると思う。わたしもあった。それは各家庭におけるだし巻き卵の定義や味と同様に多種多様であるべきで、おいしいと思い食べる人がいるならば他者は口出しをするべきではなく、何が最上で正解であるかなんて答えはないものである。

ということで以下ネタバレなんですが。


偉大なる三田先生は英霊が座に還っても記憶保持してる派なんだなと思ったしそれでいて師匠と意思の疎通はできないで退去させるあたりが匙加減絶妙すぎてこれが正史を任せられた作家の采配かと唸ったんですけれども一方でトリシャが毒舌であしらったように第四次のことなんて何も覚えてませーんも捨てがたい派の我々もいるわけじゃないですかもうどうしたらいいんですか。みなさんはこの感情を持て余したままどうやって生きてきたんですか。十年後にたどり着いた周回遅れのわたしはどうしたらいいんですか。何故これを引きずっているかといえば自己の同一性とか他人によく似た好きな人とかいうテーマがおたくは大好きだからです。たとえばです、例えばですよ、同じ時間を生きられなかった恋人同士で片方が死んだ時にもう片方が生き返らせるみたいなシチュエーションをみなさんはお好きだと思います少なくともわたしは大好きです。で、その時に、生き返って多少年齢が離れた恋人に対して生き返らせた側が懸けるクソデカすぎて重い感情を我々は心から愛している。それは姿形が同一であるからこそ色濃く抱く想いなのであり同一の身体であるならば魂もまた同一であってほしいという果てないエゴにより起こるものだ。同じ記憶を持っていたらかつてあった時間と同様に愛し合うことができるのか。否。否である。生き返らせた側は心の底に「これはかつての想い人ではない」と俯瞰した部分が残っているし生き返った側からは「この人は愛情の向こうに自分ではない人を見ている」と見抜いているのだ。我々は両思いの相思相愛を愛している、愛しているが感情が絡れすれ違いを起こすこともまた同様に愛している。彼らが苦難の先に掛け値なしのハッピーエンドに辿り着くことを願っている。しかし同等の熱量を持って破滅してしまえとも思う。わたしはより面白い方に賭けたい。ということで師匠だけが何も知らない相思相愛エンドは美味しかった。自称親友には今後も頑張ってもらいたい。征服王が偉大すぎてKnightsの王について考えんのしんどくなっちゃった……朱桜がどんな王になりたいのかまるでわからん……もう坊主だか坊やかすらわからないよアークシステムワークス……